実際の導入例および論文のご紹介

「MBTIを共通言語として」
(大手外資系企業B社 研修プログラムマネージャー)

出典:Japan-APT ニューズレター №4

 「さて、事実を確認していこう。このチームはNの人が多いようだけど、Sをつかうように!」

 「この案は、おもいやりが足りないなぁ、Feelerグループで見直してくれよ。」

 「ちょっと左手つかってみたの、わかった?」

 これは、すべてB社でのトレーニングのグループ作業中の会話です。壁には、MBTIの16タイプの表が張ってあり、チームメンバーのファーストネームが書き込んであります。

右上には「チームタイプ:ENTJ」と書いてあります。

 彼/彼女らは、前日にMBTIのフィードバックセッションを受けたばかり。チームメンバーのタイプの組合せから、チームとしてのタイプを特定しました。また、チームとして陥りがちな落とし穴とその対策も話しあいました。このように、MBTIコトバがチームの中で自然にでてくる(=共通言語化している)のを、目の当たりにするのはトレーナーとしてうれしい限りです。

 現B社会長は、「リーダーシップ開発は、終わることのない自己認識と自己革新の旅である。」とコメントしています。また、前B社会長は退職直後のインタビューで、あなたが二十年間CEOとして成功した一番の理由は何かとの問に対して、「自己認識だ。」と答えています。

 B社リーダーシップ開発研究所が作った多くのリーダーシップトレーニングの前半には、「自分を知る」セッションが必ずあります。ここでMBTIや360度サーベイを使います。B社は、現会長や前会長のコメントに示されるとおり、「自分を知る」ことがリーダーシップ開発の第一歩であると信じているからです。この効果もあり、MBTIはB社内で共通言語になりつつあります。いくつか例を紹介いたします。

 日本ではまだまだですが、海外出張中に新しいB社の仲間に会うときには、お互いMBTIタイプを教えあうことがよくあります。初対面だけど、MBTIという共通言語でまずは打ち解けあえます。 お互いの指向がわかると、仕事の上でも、それに基づいてコミュニケーション方法に気をつけたり、得意分野を分担しあったりできます。新しいチームにありがちな、必要以上の対立や労力の無駄遣いを回避できる可能性が高まります。

 もう一つ例を。B社では、New Manager Assimilation Sessionというものがあります。これは、新しく着任したマネジャーのことをチームメンバーに徹底的に良くわかってもらい、チームを一気にパフォーマンスする状態に持っていこう、というのが目的です。半日程度で、メンバーが新任マネジャーについて知りたいことを何十と質問して、マネジャーはそれに答えてゆきます。ここでもMBTIタイプが質問に出てくることがよくあります。新マネジャーはメンバーに対して、「私はクリアNだから、プレゼンをしてもらうときは、まず全体像を示してもらいたいね。」というような話がでる訳です。

 B社では、「自分を知る」ための様々なツールや仕組みが用意されています。360度評価、フィードバックを与えあう文化、コーチング、メンタリング、その中でMBTIは楽しく使えて、しかも他者との関わり方のヒントも与えてくれる強力なツールです。これからも活用させていただきたいと思います。

日本におけるMBTIの導入事例

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